「この車内に盗聴器と発信機がつけられているみたいなの。それを探して欲しい」
紫乃に言われて、はっと我に返る。
盗聴器と、発信機!?
「私が裏切り者だと疑われていたからこんなことされたんだわ……。もっと確認してから来るべきだった……。本当にごめんなさい」
申しわけなさそうな表情で謝罪する彼女。
今までの会話を、ぜんぶ聞かれていたんだ。
そんなものをしかけられていたから、私たちは後をつけられていたんだ。
それはかなりやばい、けど……起こってしまったのは仕方ない。
どうすることもできないから……。
「すぐ探す」
私は車内をすぐに探した。
小物収納スペースをぜんぶ開けて、座席シートの下をよく見て。
それでも、なかなかそれらしいものは見つからない。



