月夜に笑った悪魔



「この車内に盗聴器と発信機がつけられているみたいなの。それを探して欲しい」


紫乃に言われて、はっと我に返る。


盗聴器と、発信機!?


「私が裏切り者だと疑われていたからこんなことされたんだわ……。もっと確認してから来るべきだった……。本当にごめんなさい」


申しわけなさそうな表情で謝罪する彼女。


今までの会話を、ぜんぶ聞かれていたんだ。
そんなものをしかけられていたから、私たちは後をつけられていたんだ。



それはかなりやばい、けど……起こってしまったのは仕方ない。
どうすることもできないから……。


「すぐ探す」


私は車内をすぐに探した。





小物収納スペースをぜんぶ開けて、座席シートの下をよく見て。

それでも、なかなかそれらしいものは見つからない。