月夜に笑った悪魔




「あっ」


大きな声が聞こえてきて、なにかと思えば……。
絵音は窓の外を指さして。


「あっくん、もう外にいる……!」



……とんでもなく早い。
もう、外にいるなんて。



私は窓の近くまで行くと、外を見た。



すると、確かに窓の外にいた暁。
早足で歩いて、停めてあるバイクのところへと向かっている。


私が今から走って追っても、外に出た頃には暁はいないかもしれない。





「暁……っ!!」


大きな声を出して、ここから彼を呼ぶ。
でも、暁の足はとまることなく。





……こうなったら、仕方ない。


またやるのは怖い、けど…!!
2回目、だし……きっとなんとかなるって信じてるからっ!!