月夜に笑った悪魔



「私は、暁が大好きです……っ!!これからもこの気持ちは変わることはないので、どうか心配しないでくださいっ!!」


これは本心。

精一杯、大きな声で伝えれば安心したような表情になってくれて……。
また、ベッドに横になってくれた。




「俺に守るための力がないばかりに、ダチ1人もとめられず、妻を亡くしてしまって……。暁に大きなものを背負わせてしまったのは、ぜんぶ俺のせいだ。
本当に、暁にはすまないと思ってる」



苦しそうに吐き出される声。

私は真剣に耳を傾け、ぎゅっと拳を強く握った。



「かなり難しいことかもしれないが……暁には、なにも考えずに幸せになってほしいものだよ。復讐なんて考えずに……ただ幸せに。
復讐してほしいなんて、俺も妻も思っていないんだ。いつだって、あの子の幸せを願ってる……」


なんて思うのは親バカかな、そう付け足して笑った。