「私は話すことがある」 「……俺はねぇ」 「私はあるから、ちゃんと聞いて……!」 「うるせぇな!!」 強い力で振り払われる手。 怒鳴られるように言われ、体が一瞬動かなくなった。 ……暁に、ここまで大きな声で言われたのははじめて。 私が動かなくなれば、はっと我に返る彼。 一瞬申しわけなさそうな顔をすると、また背を向けて。 今度間こそ病室を出て、去っていく。 私は、またすぐに追いかけようとしたが……。 「……すまないね」 後ろから聞こえてきた、暁のお父さんの声。