月夜に笑った悪魔



「暁!」


良典さんが暁の手首をつかんでとめるが、その手を彼は振り払い。

そのまま暁は病室の扉に手をかけた。




暁のお父さんも、暁のことを大切に思っている。
だから人を殺させたくないんだ。



っていうか、暁のお父さんだけじゃない。


ここにいる人たちも、ほかの一条組の組員だって、暁のことを大切に思っている。



私は彼のほうまで走り、腕をつかんだ。




「……来んな。おまえとも今話すことはねぇ」


冷たく言われ、睨まれる。
怖い、けど……これで怯んだらいけない。



私は……暁をとめたい。

ここで……ここでとめてやるっ!!