いつもどこか大人びて見える暁だが、少し幼く見える。
お父さんの前ではちゃんと“16歳”の息子。
何度も忘れかけるけど……暁は私より1つ年下なんだ。
組のトップに立つということは、責任とか素早い判断とか……そういうのがあるもので。
私が想像する何十倍も、何百倍も大変なことなんだろう。
暁は、組長が不在だった一条組を自分が引っ張っていけるように、無理して頑張っていたのかもしれない。
「暁……おまえにたくさんのものを背負わせてしまって、本当に悪かった」
もう一度、ぽんっと暁の頭の上に乗せられた大きな手。
暁のお父さんは、横を向いて彼をまっすぐに見つめている。



