それを聞いた暁のお父さんは、特に驚くこともなく。
「暁をよろしくね」と言ってくれた。
一方で、暁は……。
まだ、なにも言わずお父さんを見ている。
「暁……ちょっとそこに座ってくれないか」
暁のお父さんがそう言った数秒後。
暁は私の手を離し、ゆっくりその場に正座。
彼が座れば、その頭の上に置かれた手。
「それにしても……暁、おまえでかくなったなぁ。俺には撃たれたことが昨日のことのようで……びっくりだよ」
暁のお父さんは、ぽんぽん彼の頭を撫でる。
でも、暁は。
「……やめろ」
その手をパシッとどけて。
また口を開こうとして、閉じた。
……まだ、脳が現状をしっかり理解できていないのだろうか。
それとも、なにから話そうか迷っているのか……。



