月夜に笑った悪魔




ものすごく慌てているような声で、なにがあったのかと思えば……。



「今、連絡が入ったんだけど、組長が……!!組長が目覚めたって……!!」


次の言葉は、まさかの。


植物状態になっていたという、暁のお父さんが……。



それを聞いた暁は、ただ瞬きを繰り返す。
急なことで驚いているようだ。




「暁……!行かないと!」


私は彼の体を強く揺すった。
そうすると、彼の体は動き。



「……美鈴も来い」


パシッとつかまれた手。



「じゅ、10秒待って……!」


私は、乱れた浴衣のまま。
さすがにこんな格好で行けるわけもなく、彼をとめて。


近くにあった制服へと大急ぎで着替え。





そして、すぐに部屋を出て私は暁のバイクへと乗せられたのだった。