月夜に笑った悪魔



「やめて……。そんなことしたらだめだよ……」
「“そんなこと”じゃねぇ。あいつらがしたことは許されることじゃねぇから」



声のトーンが少し低くなり、怒りを感じる。




暁は、月城組に両親をあんな目にされた。


……私は、暁の気持ちをぜんぶわかってあげられるわけじゃない。


月城組にあんなことをされた暁の気持ちを、痛みを、苦しさを、ぜんぶわかってあげられない。





第三者の私が簡単に口を出していいことじゃない。



わかってるけど、私は、暁が大切なんだ。


大好きで、ずっと一緒にいたいと思ってるから……復讐をやめてほしい。




復讐をやめてほしいから、何度だって言う。