「やめて……。そんなことしたらだめだよ……」
「“そんなこと”じゃねぇ。あいつらがしたことは許されることじゃねぇから」
声のトーンが少し低くなり、怒りを感じる。
暁は、月城組に両親をあんな目にされた。
……私は、暁の気持ちをぜんぶわかってあげられるわけじゃない。
月城組にあんなことをされた暁の気持ちを、痛みを、苦しさを、ぜんぶわかってあげられない。
第三者の私が簡単に口を出していいことじゃない。
わかってるけど、私は、暁が大切なんだ。
大好きで、ずっと一緒にいたいと思ってるから……復讐をやめてほしい。
復讐をやめてほしいから、何度だって言う。



