そうしたところで、耳に届くのは……車のエンジン音。
その音は、確実にこっちに近づいてくる。




……一台じゃない。
車は、たぶん二台。


敵……?
それとも……味方?




「……っ!」



暁は急に私を引き剥がし。
私の手を強くひいて自分の背中に隠すと、ポケットから何かを取りだしそれを向けた。





彼が取り出したものは、拳銃。
それは、月城岳に向けられている。



月城岳も同じように、自分の背に未玖ちゃんと巧くんを隠しこっちに向ける拳銃。




「……一条、停戦は今日だけだ。約束通り、決着は2日後必ずつけようぜ」



口を開いたのは、月城岳。
暁は、その言葉に低い声で「あぁ」と返事。