私が今まで見た月城岳とは大違い。
恐ろしい姿しか見ていないし、こんな姿はぜんぜん想像できなかった。



月城岳は冷酷な人間だと思っていた、けれど……。
……そんな表情もできるなんて。




未玖ちゃんと巧くんが月城岳を大切に思っているように、月城岳にとっても未玖ちゃんと巧くんは大切な存在なんだろう。




3人を見ていると、暁は私の手に巻きつけられたガムテープを剥がし終わり。



「……生きててよかった」


ぜんぶ剥がすと、彼は強く抱きしめてくれる。


耳元で聞こえる声。
暁の匂い。


熱い体温に包まれて、心に安心感が広がっていく。



「……美鈴、声聞かせろ」


抱きしめてくれる腕にさらに力が入り、私は彼のシャツをつかむと。


「あかつき……っ」


必死に声を出した。