車から少し離れたところで寝かされ。
袖で涙を拭いてくれたあと、足に巻かれたガムテープを剥がしてくれる。


その間に聞こえてくるのは……





「おにーちゃんっ」
「にーちゃ……」


未玖ちゃんと、巧くんの声。


目を向けると、月城岳が2人を抱きかかえて車からおろしていた。



ぎゅうっと強く月城岳に抱きついている2人。


あたりは暗くてあまりよくは見えないが……未玖ちゃんと巧くんの2人を見ている月城岳は、なんだかすごく安心した表情をしていた。