そして、ぐるりとまわる車。
一回転、二回転して何度も何度もガードレールに車体が激しくぶつかる音。
割れる窓ガラス。
車は大きく揺れ、私は座席シートから転がり落ちた。
「わぁぁぁぁぁっ!!!!」
和正は思いっきりブレーキを踏みながら声をあげる。
そして……ようやく、とまる車。
いろいろ体をぶつけて痛い、けど。
なによりも心配なのは暁。
……車と衝突してないよね!?
ぐっとお腹に力を入れ、上体を起こすと前を見た。
そして、前の窓から見えたのは……バイクに跨る暁の姿。
とまったのは、暁に衝突するギリギリのところだった。



