月夜に笑った悪魔



……暁っ!!



押し寄せる不安。
もし、暁に当たっていたら……なんて考えると怖すぎる。



3発、4発、と連続で聞こえてくる銃声だが……。
バイクの音もとまらない。




「来い……っ!!」


金髪の男性は撃つのをやめると、私のほうを見て。
髪と腕を強い力で引っ張り、強引に体を起こした。


「痛っ……」


座らせられる体勢になり、男性は私を引き寄せると頭に拳銃を突きつける。



全開に開いた窓。
そこから見えた、暁と月城岳。




車のうしろにいて、2台のバイクは信じられない速さでどんどん近づいてくる。



アクセル全開。
2人とも血を流しているけれど、そんなことはちっとも気にしていない。



徐々に車の隣に並んでいく2台のバイク。



暁は車の左隣、月城岳は右隣に。