月夜に笑った悪魔



「や、やめて……っ」


私は必死に声を出すが、そんなことでとめられるわけもなく。





金髪の男性は車の窓を開け、顔を出して銃を構える。



このままだと、暁が……っ!!
バイクに乗ったままだとすぐに避けられない……っ!!



私は、必死に体を動かした。

ガムテープを巻かれているせいで上手く動かせないが、それでもできる限り精一杯動かし、銃を構える男性の背中を強く蹴る。



男性は油断したのか、手から拳銃が離れ窓の外へと落下。




──ガシャンっ!

と音を立てて落ちると、うしろを振り向き。



「このクソオンナ……っ!!」


ギロリと鋭い目つきで睨まれる。