男性も動きをとめると、耳を澄まし。
その音を聞いて、「そんなバカな……」と小さく呟いた。
「……想像以上に早く殺し合いに決着がついたか?でも、銃声はなにも聞こえなかったような……」
うしろにいるメガネをかけた男性も驚いている様子。
……暁だ。
ぜったい、暁だ。
私がどこにいても来てくれるか、ぜったいに暁。
「……俺らには人質がいるんだ、焦る必要はねぇ。もし少しでも攻撃してきたらこいつら使って脅せばいい」
和正は男性2人に言うと、さらに車のスピードをあげる。
猛スピード。
曲がりくねった道を進むから、車内が大きく揺れる。



