それに、私はまだ何度も暁にぶつかってない。


どんなに怒られても、不機嫌にさせても、私は何度も暁に『復讐をやめて』とぶつかりたい。



月城組のほうだって、可愛らしい娘と息子が言うんだから、もしかしたら気持ちは動かせるかもしれないし……。




ほんのわずかな可能性だけでも信じさせて……。




「ありがとう、おねーさんっ」
「……ありがと」


2人は嬉しそうに笑って、ぎゅっと私に抱きつく。


そうしたところで、鳴り響いたのはチャイムの音。




──キーンコーンカーンコーン

と大きく外まで聞こえてくる。