無力な自分を強く恨む。
ぎゅっと拳を強く握れば、その手の上に2人の手が重なって涙目で見つめられた。
「……おねーさんもとめたいと思ってるなら、いっしょにとめようっ」
震える声で言う女の子。
まっすぐな瞳。
どこまでもきれいな瞳で、曇りがない。
「ぼくたちで力を合わせれば、きっとなんとかできる……」
男の子も精一杯に声を出して、強く手を握る。
……2人は、諦めてない。
まだ、とめたいと思ってるんだ。
本当は私だって……諦めたくない。
暁が私の言葉に耳を傾けてくれないとわかっても、私は諦めたくない。
暁にはこれ以上ケガをしてほしくないから……
暁には、幸せになってほしいから……
復讐をやめてほしい、って強く思ってる。



