月夜に笑った悪魔



無力な自分を強く恨む。

ぎゅっと拳を強く握れば、その手の上に2人の手が重なって涙目で見つめられた。




「……おねーさんもとめたいと思ってるなら、いっしょにとめようっ」



震える声で言う女の子。


まっすぐな瞳。
どこまでもきれいな瞳で、曇りがない。



「ぼくたちで力を合わせれば、きっとなんとかできる……」


男の子も精一杯に声を出して、強く手を握る。



……2人は、諦めてない。
まだ、とめたいと思ってるんだ。



本当は私だって……諦めたくない。
暁が私の言葉に耳を傾けてくれないとわかっても、私は諦めたくない。




暁にはこれ以上ケガをしてほしくないから……
暁には、幸せになってほしいから……

復讐をやめてほしい、って強く思ってる。