「なんで……」
目の前の2人は顔を上げ、涙目に。
別に意地悪で言ったわけじゃない。
これは……本当のこと。
「どっちかが一方的に悪いことをしてるわけじゃない……。どっちかがいじめて、それをいじめ返して……ってずっと続いてるの」
私は、2人がわかりやすいように説明。
復讐の連鎖。
暁が万が一、月城岳を殺したら……今度はこの子たちが復讐しに来るかもしれない。
逆に、もし暁が月城岳に殺されたら……私だって復讐を望んでしまうかも。
……そうやって、復讐はずっととまらない。
ぱっちりとした瞳から、ぽたぽたと涙を流す2人。
大切な人が傷つくのは、やっぱり誰だって嫌だ。
2人も、近くで見ているだけで苦しかったんだろう。
私だって嫌だし、できることならなにかしたいけど……ごめんね。
私に暁をとめるまでの力はないんだ……。



