月夜に笑った悪魔



「なんで……」


目の前の2人は顔を上げ、涙目に。


別に意地悪で言ったわけじゃない。
これは……本当のこと。



「どっちかが一方的に悪いことをしてるわけじゃない……。どっちかがいじめて、それをいじめ返して……ってずっと続いてるの」


私は、2人がわかりやすいように説明。




復讐の連鎖。



暁が万が一、月城岳を殺したら……今度はこの子たちが復讐しに来るかもしれない。


逆に、もし暁が月城岳に殺されたら……私だって復讐を望んでしまうかも。


……そうやって、復讐はずっととまらない。



ぱっちりとした瞳から、ぽたぽたと涙を流す2人。


大切な人が傷つくのは、やっぱり誰だって嫌だ。
2人も、近くで見ているだけで苦しかったんだろう。



私だって嫌だし、できることならなにかしたいけど……ごめんね。
私に暁をとめるまでの力はないんだ……。