「そんなことよりも……!わたしたち、おねーさんにおねがいがあってね!」
考えていれば、女の子はショルダーバッグの中から何かを取り出して。
それを私に差し出すとぺこりと頭を深く下げた。
「おねーさん、おねがいっ!これでもう許してほしいの!どうか、一条組に届けてほしい……」
差し出されたものは、ブタの小さな貯金箱。
……許す?
これを……一条組に?
「これじゃ少ないかもしれないけど……またいっぱい貯めて持ってくるから!だから、おとーさんやおにーちゃんをもういじめないで、って一条組に伝えて……っ!」
苦しそうに、必死に聞こえてくる声。
男の子も必死に頭を下げている。



