月夜に笑った悪魔




***


熱は驚くほどすぐに下がった。


朝、目が覚めると暁は私のそばにはいなくて、あれはぜんぶ夢なのかと思ったが……。
春樹さんから聞いた話では、私は暁にちゃんと看病されていたらしい。


ワガママ言ったり、薬を飲ませてもらったのは、きっと夢じゃないんだろう。

思い出すだけでもいろいろ恥ずかしい。



……私、怒ってたはずなのに甘えすぎじゃ?
迷惑じゃなかったかな……。



思うことはあるが、とりあえずお礼はしないと。
そう思って出かけている暁が帰ってくるまで待っていたのだが……彼は、夜中になっても帰ってこなくて。



私の心は、不安に包まれていた。





暁は、いついなくなってしまうかわからない。
月城組との戦いで、今度こそ本当に命を落としてしまうかも。


もしかしたら……今日いなくなってしまうかもしれない。