言ってもとまらない。 彼は、復讐をやめない。 ……わかってるから、言葉がちゃんと出なくなる。 「……もう寝る」 じわりと目に涙が浮かぶから、私は布団の中へと潜って顔を隠した。 それでも、布団から手だけは出して暁の手を強く握る。 そばにいてほしい。 でも……私の気持ちは暁に伝わらないから、そばにいても苦しい。 どんなに強く手を握っても、心は離れたまま。 目を閉じれば、ぽたりと涙がこぼれ落ちて。 あとからやってくる眠気に、私は意識を手放した。