月夜に笑った悪魔



言ってもとまらない。
彼は、復讐をやめない。


……わかってるから、言葉がちゃんと出なくなる。



「……もう寝る」


じわりと目に涙が浮かぶから、私は布団の中へと潜って顔を隠した。


それでも、布団から手だけは出して暁の手を強く握る。


そばにいてほしい。
でも……私の気持ちは暁に伝わらないから、そばにいても苦しい。


どんなに強く手を握っても、心は離れたまま。





目を閉じれば、ぽたりと涙がこぼれ落ちて。

あとからやってくる眠気に、私は意識を手放した。