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「やだっ」
「せっかく薬もらったんだから飲めよ」
「……私、粉の薬じゃないと飲めない」
夕食後、病院でもらった薬を暁から渡されそうになるが私はそれを受け取らず。
ぷいっとそっぽを向いて拒否。
実は……私は、粒の薬が嫌いだ。
粒をなかなか飲み込むことができなくて、口の中にいつまでもとっておいたら苦すぎて苦しめられたことがある。
だから今まで風邪をひいた時は粉の薬ばかりドラッグストアで買っていたんだけど……。
病院では、この歳になるとなかなか粉の薬をもらえないもので。
「粒の薬飲めないとかガキか」
暁にバカにされる。
……ガキじゃないのに。
「……おねーさんだよ」
「じゃあ飲めよ、おねーさん」
「…………」
押しつけられる薬の袋。
私は、逃げるように布団の中へと潜った。



