月夜に笑った悪魔



「……よかった。本当に、よかった……」
『そこまでは俺も本当によかったと思うんだけど……』


なぜか不自然に言葉を切る蒼真。
なにか、嫌な予感がした。


「な、なにか、あったの……?」
『ちょっと目を離した隙に暁が病院を脱走したみたいでさ……。今、美鈴ちゃんのところに来てたりしない?』


「え!?」



そういえば前も暁は病院を脱走して、捕獲されていたっけ……。
1週間ぶりに目覚めて、すぐ動くなんて……。




私はすぐに屋上から外を見た。


すると……目に入ったのは。

校門付近に見えた、とある人物。


その人はフラフラしながら歩いて。
校門と来ると、中へと入ってきた。


遠くからでは顔まではよく見えないけれど、その人物が着ていのは制服じゃない。

……黒服だ。





あれは、絶対に暁。