月夜に笑った悪魔




「……どこまでも甘いな、一条」


後ろから聞こえてくる月城岳の声。

そのあとに、また連続して聞こえてくる乾いた音。



暁は……急に力が抜けたように私に寄りかかってくる。



……え?
な、なにが……おきて?


彼に体重をかけられるから私は耐えられなくなり、後ろに倒れた。


「……っ」




そして見えたのは……月城岳が拳銃をこっちに向けている姿。


暁にもう一度目を向けると、彼は苦しそうな表情。
いろんなところから血は出ているけど、中でも深そうな傷は背中。


そこからドクドクと出てきている赤い血。



「……あか、つき?」


すぐに頭が追いつかない。



……さっき、音がした。
音……銃声。


でも銃は月城岳も蹴り飛ばしたはずなのに、なんで持って……。
……まさか、もうひとつ持ってた?


それで私が狙われて、暁が庇って……。