月城岳はなんて返すのかと思えば、無言。
「…………」
どんな顔をしているのか見えない。
……いったい、なにを考えているんだろう。
漂う緊張感。
数秒、無言でいると。
「……同時だ。いいな」
後ろから聞こえてきた声。
その声に「あぁ」と暁は返事。
突きつけられていた拳銃は離れ、地面に置いて蹴り飛ばす姿が見えた。
暁も同じようにしていて……。
それをお互い確認すると、私は強い力で背中を押された。
……同時、っていうのはそういうことか。
震える足を動かして、1歩ずつ私は暁へと近づく。
途中ですれちがう女性。
あっちも、ゆっくり歩いていた。
「美鈴っ!!」
足を動かしていれば、急に呼ばれた名前。
暁は私のほうへと走ってくると手を引っ張って。
私と自分の位置を入れ替えると、強く抱き締めた。
それと同時に──響いたのは、乾いた音。



