「待ちくたびれたぜ、一条……」
目の前の男は嬉しそうに笑って。
私の口から銃を離すと立たせ、声が聞こえてきたほう──後ろを向かせた。
森に入る一歩手前のところ、そこにいたのは暁と……見覚えのある女性の2人。
黒いスーツ姿、長い髪をポニーテールに縛った20代くらいの女性。
その女性を見覚えがあったのは……あの、ショッピングモールで会っていたから。
私と芽依にナイフを突きつけてきた、あの人だ。
暁はその女性の頭に拳銃を突きつけている。
彼は頬、腕、足、といたるところから血が出ていた。
……撃たれたんだ。
「月城岳……この女殺されたくなかったら、美鈴と交換だ」
月城岳を睨みつけ、暁は低い声を出す。
「若頭、すみません……っ!私のことはどうか気にせずに──」
「口閉じろ、殺すぞ」
女性が口を開けば頬に彼は拳銃を当てて。



