月夜に笑った悪魔



逃げたいのにこんな状況ではどうすることもできず。
体も全く動かなくて、ただ震えていることしかできない。



暁……っ!!








心の中で、彼を強く呼んだその次の瞬間──










「美鈴を離せ」




少し離れたところから聞こえてきた声。
その声は確かに、暁の声だった。