強く言えば、目の前の男は息切れして。
はぁ、とため息をひとつ。
「……話が脱線したな。一条が目の前で父親を撃たれた時の表情、だったか。
俺はそのとき撮らせてた動画をリアルタイムで見てたんだが……あの時の顔はまあまあだったよ。
ただ苦しそうに拳握ってたっけなぁ」
俺はあいつの泣き顔が見たかったんだけど、と付け足して言う目の前の男。
それからにやりと笑って。
「一緒に考えようぜ?どうおまえを殺せば、一条が苦しんで泣くか」
そんなことまで言ってきた。
……やっぱり狂ってる。
そんなことを考えるなんて……。
「おまえを一条の目の前で犯してから殺すっていうのは普通だしな……。やっぱり、一条の目の前でおまえの爪を1枚ずつ剥がして拷問したほうが効果は……」
ブツブツひとりごとのように呟いている。
考えていることが普通ではない。
聞いているだけでも恐ろしい。



