「……っ」
急にこの場に座り込む隼人。
「隼人……っ!」
声をかけるが、自分の声が震えているのがわかった。
自分の体も震えているし、隼人の体も震えている。
「……ヤクザにとって、これが日常なのかよ」
この状況を前にして、呟くように言う彼。
怖いのは無理もない。
彼は、こんなことになるだなんて全く予測していなかっただろうから。
……隼人は、これ以上危険な目にあわせられない。
私はきょろきょろとまわりを見て。
あるものを見つけた。
見つけたものは、縦長の古びたロッカー。
それを開けてみると、埃っぽいけどなにも入っていなかった。
ちょうど、ひと1人くいは隠れられそう。
「隼人……隼人はここに隠れてて」
私は隼人の腕を引っ張る。



