月夜に笑った悪魔




数秒後、扉の向こうから聞こえてくる銃声。
それは連続して響き渡る。




……わかっている。
暁は、私たちを守るために1人であっちにいることくらい。



私と隼人にはなにもできない。
拳銃も持っていなければ、戦うこともできなくて……あっちに行っても足を引っ張ることしかできないんだ。


……なんて無力なんだ。




鳴りやまない銃声。


その間にも暁が傷ついているかも、なんて考えるだけでもいてもたってもいられなくなる。



ただ待つことしかできないなんて、そんなの……。
そんなのって……やっぱり、嫌だよ。




私はスマホをポケットから出して、すぐにメールを開いた。


そして現在の位置情報と、現状を簡潔に打って登録されているメールアドレスに一斉送信。