月夜に笑った悪魔



後ろから迫ってくる足音。
さらに、また前から見える3人の人影。



また、挟み撃ち。


前にも後ろにも行けなければ、外に行くこともできない。

ど、どうすれば……。




「ここにいろ。絶対出てくんなよ」


考えていると、暁は私と隼人の腕をつかんで近くの教室の中へと押し込んだ。



……彼は、1人で戦う気だ。



閉められそうになる扉。
私は彼の手を慌ててつかんだ。





「心配しなくても死なねぇよ」



唇に伝わる熱。
強く触れ合って、一瞬で離れると彼は笑って。



今度こそ扉を閉められた。