月夜に笑った悪魔



まっすぐ走ったところで、前から来た2人組。
後ろからも2人来ていて、挟み撃ち。





「上行け!!」


ちょうどすぐ近くにあった階段。
暁はそこを上るようにと私と隼人の背中を強く押す。


暁は立ちどまると拳銃を構え……。






一発、二発、と発砲。




乾いた音が響き渡る。




「早く!!」


思わず暁を見ていると、強く言われ。
私と隼人は先に階段を上る。



怖くて足が震える。
気を抜いたら体の力が抜けて立てなくなってしまいそう。


なんとか足に力を入れて、階段を上った。


それを確認した暁は、銃を構えながらすぐに階段を上って。
私と隼人に追いつくと、腕を引っ張って走る。



この木造校舎は二階建て。
別棟は見えるけど、ここの校舎から続く階段はない。


……逃げ場があまりない。