月夜に笑った悪魔




暁が引き寄せてくれなかったら、私は今頃……。

考えるだけでも背筋が凍る。





「月城岳……っ!てめぇ……」



殺気全開。
暁の纏うオーラが一気に変わった。



「夜桜が近くで暴走をやるとは聞いていたが……まさか、鼠が2匹もここに来るとはなぁ。シゴトの邪魔をされてるわけだが、わざわざ俺がここに来てよかったぜ」


聞こえてくる、楽しそうな声。

あまりの恐怖に、私の体はガタガタと震え出すのがわかった。





「さぁ、楽しい楽しい殺しの時間だ。苦しんで泣いて、俺を楽しませろよな」




連続で聞こえてくる銃声。


それを合図とするように、数人の足音が聞こえてきて。
見えた、人影。


木造校舎の中へと入ってくると、こっちに向かって発砲。







「走れ!!」


暁は私の手と隼人の腕を引っ張って走る。


「死にたくなかったら足動かせっ!!」


急に変わった状況についていけない隼人に彼は強く言って。
私たちはただひたすら足を動かした。