話を聞く限り、まだ月城組と隼人は接触していなさそう。
「それは……月城組と関わりがあるって、隼人は知ってたの?」
気になったことを聞いてみると。
「……連絡先交換したあとに聞いた。もちろん、“月城組”がヤクザだってこともちゃんとわかってる。月城組は、有名だからさ……」
ちゃんと、知っていた。
隼人は、月城組を知ったうえでこんなことを……。
「わかってるんだ。そんな大金がもらえるシゴトなんて、やばいやつだって……。でも、俺にはどうしても金が必要だったんだよ……」
聞こえてくる声は、とても苦しそう。
……そうか。
隼人は、お母さんが入院してるから……そのために。
そんなやばいシゴトにまで手をつけようとしてしまうほど、大変だったんだ。
……月城組は、困っている人に声をかけてそうやって利用しているのか。
自分たちの手を汚すことなく働かせて、利益にして……なんて汚いやつらなんだ。



