月夜に笑った悪魔



すぐ戻るんだったら、私も少しくらい息抜きってことでこのままでいてもいい、かな?


ちょっと触れ合って、暁がまた行ってしまったら課題を進めれば……。



「何時くらいに行っちゃうの?」


一応聞いてみると。


「2時間後くらい」


返ってきたのは、思ったよりも長かった。
本当に数十分で行っちゃうものかと………。

2時間もそれなりに短くはあるけれど。



「…………」



さすがに、2時間ずっとこうして暁と触れ合っているわけにはいかない。


まだまだ課題は残っているし、これからご飯食べたりお風呂も入らなくちゃいけないし……少しでも寝たいし。


私だってこうしていたいけど、私には時間の余裕がぜんぜんない。



「……10分だけ、ね?10分後には私課題はじめるから」


時間を区切ろうと思って、そう伝えるが。


「2時間イチャイチャ」


彼はすぐに言い返す。


「……課題終わらなくなっちゃう」
「あんま会えなくて寂しかったのは俺だけかよ。俺はずっとおまえに触れたかったんだけど」


「私だって……」


私だって寂しかった。
ずっと、触れたいと思ってた。