月夜に笑った悪魔




なにかと思ったら、彼が立ちどまった理由をすぐに理解。


また、新たな黒服を着た男性2人が階段を上った先にいた。


そして、後ろからも足音が聞こえてきて下を見れば、さっき暁に倒されていた女性と男性の2人。




確実に近づいてきている。
……挟み撃ちだ。


どうしよう、逃げ場が……。







「しつけーな」


暁はチッと舌打ち。




そのすぐあと──すぐ近くから聞こえてきたのはエレベーターの音。


扉が開く音が聞こえてきて、まさか敵の増援か……と不安になれば。





「ちょっとどいて!」


上にいた黒服姿の男性2人を押しのけて、現れた人物。


その人物とは、ピンク髪の絵音。





「あっくん、よかった……。すずちゃんと合流できたんだね」


絵音は私たちを見ると、安心した表情を浮かべる。


って、敵はすぐそこにいるのに……!




「なんだこのクソガキ!」
「邪魔すんじゃねぇぞゴラ!」


押しのけられた男性2人は低い声を出して、絵音の胸ぐらをつかみあげた。