月夜に笑った悪魔



音がして、開いたエレベーターの扉。
そして、エレベーターの前には……黒服姿のサングラスをかけた男性が1人。




「うまくいったか」


その男性は私を見ると、口角を上げる。
この人は、月城組の人だ。




……最悪すぎる。
誰かと合流される前になんとかしたかったのに……。


焦りで出る手汗。
ドクドクとはやく動く心臓。



「おりなさい」


背中を強く押されて、エレベーターをおろされた。


エレベーターでおりて連れてこられた場所は、地下駐車場。

車が多く停まっていて、買い物客がちらほら。



前を歩く男性のあとに、ナイフを持った女性と私がついて行く。



……車に乗せられるんだろうか。
そんなことをされたら終わりだ。


車内にもしほかにも月城組の人がいたら、本当の本当に逃げ場なんてない。
乗せられたら、確実に連れていかれる。



その前になんとかしないと……。
考えろ、考えろ私……。




焦ってしまうけど、脳をフル回転。

考えてると悟られないように、顔を動かさないように目だけ動かしてまわりをよく見た。