「スイカ!春樹さんからいただいたから食べよう!あとお風呂も沸いたってさ!」
わざとノックもせずに、勢いよく襖を開けた。
私が部屋に来ることなど予想していなかったのか、芽依は肩を上げてびっくりしている様子。
「美味しそうなスイカだよ!」
私はわざと聞いていなかったフリをして部屋に入り、おぼんを置く。
これで、もう言わないかと思ったが……。
芽依は暁の袖を掴んで、
「……一緒にお風呂入ろ」
また、同じことを言った。
……います、あなたの目の前に婚約者がいます。
暁の、婚約者がいますけど……!?
やっぱり芽依は私のことなんて気にしてない。
「だめに決まってるじゃん!暁と一緒にお風呂入るのは、婚約者の私なの!ねっ、ダーリン!」
勢いで口から出てしまった言葉。
“ダーリン”なんて、人生ではじめて言った。
もちろんそんな約束はしていないが、暁を見れば……。
「そうだったな、ハニー。じゃあ今すぐ入ろ」
彼は笑いながらのってきて、立ち上がる。



