にこりと笑って言ったのは、蒼真。
意味深に言ったが、私はそれで確信。
……やっぱり、芽依は暁のことが好きなんだ。
「お兄ちゃんも、私と同じこと思ってるじゃん!なんで急にバカって言うの!」
千梨は蒼真の言ったことが理解できていないみたいで、ぷくっと頬をふくらませる。
もしかして、千梨は鈍感なのかもしれない。
……美少女は頬をふくらませても可愛いな。
心の中で思っていれば、目が合った人物。
黒服姿の、良典さん。
気のせいか、誰かに顔が少し似ているような……。
思わずじっと見つめていると、良典さんは口を開いた。
「私は一条組の組長補佐をしている、桐生良典(きりゅう よしのり)。よろしくね」
この人が、一条組の組長補佐だったんだ!
蒼真と千梨のお父さんでもある人……!顔が少し似てるような気がしたのは、2人のお父さんだったからか!
「ご挨拶が遅れてしまってすみませんでした!よろしくお願いします!」
すぐに返して改めてもう一度頭を下げる。
「そんなにかたくならなくていいよ。俺たちも中に入ろうか」
声が降ってきて顔をあげれば、にこりと微笑んでくれた。
……やっぱり、優しそうな人。
「はい!」
返事をして、私たちも家の中へと入った。



