月夜に笑った悪魔



「ふっ」


笑い出す暁。


なに笑ってるんだ……!
暁、私とひとつしか歳ちがわないよね!?
それだったら暁だって“おじさん”になるんじゃないの!?


……ってだめだ、おちつけ私。
年下にそこまでムキになって怒ったりしたらだめだよね。


ここは年上の余裕というもので許してあげようじゃないか……。




「よ、よろしくね、芽依」


私はできるだけ笑顔を作るが、多少まだムカついていたためつい呼び捨てになってしまう。
……まぁいいか。



「……暁、」


またまた芽依は顔を上げて、暁をじっと見つめる。
何かと思えば、彼は自分の右耳を芽依に近づけた。


そして、芽依は彼の耳元で小さな声でなにかを話す。



……2人の距離が近すぎる。
芽依はいつまでも暁に抱きついているし、本当にいつ離れるのか……。


私、これでも……婚約者として紹介されたあと、だよ?
芽依は中学生くらいに見えるから、“婚約者”の意味くらいわかるよね?


……わかるよね!?