月夜に笑った悪魔




***



どこかの王国かと思った。
大きな倉庫へと入った瞬間、たくさんの人が一斉に頭を下げるんだから。


カラフルな髪色の男性たち。

人数は、ざっと100人くらい。
若そうな人から、私より年上に見える人まで。


ここが、“夜桜”の倉庫。
……想像以上にすごい。







まわりにいる人たちが端っこに避けて、倉庫の真ん中を歩く蒼真。
思わず立ち止まっていれば「上行くよ」、と言われるから私はまわりの人たちにぺこぺこ頭を下げながら後ろをついていく。



……今さら思ったことがある。
行く場所は車内で聞いたけど、そういえば私はここで何をするのかを聞いていないな、って。


何するんだろう。



疑問に思いながら階段を上って、2階へ。


2階へと上がれば見えたのは白い綺麗なドア。
ドアノブに蒼真が手をかけて、ガチャっと開けば──。











「暁のカノジョ!?」


1番最初に聞こえてきた、大きな声。