そう言われて思い出すのは、いつかの夜のこと。
蒼真に不審に思われ、試されたっけ。


試した結果、おもしろそうな子だと言われたけど蒼真はまだ私のことを疑ってたりするんだろうか。


月城組のスパイじゃない、って言うべき?
でも、自分から言ったら逆に怪しまれるかもしれないし……。


それともまず謝るべき?
私があんな勝手な行動したせいで蒼真もあの場に来たわけで、たくさん迷惑かけてるし……。


……謝って許されることじゃないかもしれないけど、謝ろう。


私は大きく息を吸った。
そのあと。




「急に来た私を疑うのは無理もないことだと思うから、蒼真が謝ることでも……。
それより……ごめんなさいっ!」


ぺこりと頭を下げる。


「私が勝手な行動したせいで迷惑かけて、本当にごめんなさい……っ!
あ、あと一条組の大切な若頭にケガさせて、スマホ投げつけて……本当の本当にごめんなさい!」


続けて声を出して、必死に謝る。
なんて言われるかとドキドキしていると、次に聞こえてきたのは笑い声。