飛び散るボタン。
乱暴に開けられたせいで、見えるキャミソール。
「や、やめて……っ」
小さな声しか出ない。
そう言っても、やめてくれるわけもなく……。
容赦なく私に触れてくる手。
キャミソールをまくりあげれば、体のラインをなぞって上へと触れられる。
鋭い瞳に、冷たい手。
声も出なくなって、ガタガタと震える体。
次々にこぼれ落ちる涙。
私には、もうどうすることもできなかった。
ただされるがまま。
……ぎゅっと強く目を閉じる。
そうしていたところで──急に、和正が動きをピタリととめた。
そのあとに聞こえてきたのは、舌打ちと「……月城組が来たか」とつぶやく声。
直後、私の耳に届いたのは……低く響くエンジン音。
それは、車ではなくバイクが走る音。
音は猛スピードで近づいてくる。
……和正の手はとまったけど、私はきっと無事では済まない。
話によれば、私は月城組に引き渡されてしまうみたいだから。
……私には、なんの価値もないのに。
いったいなにをされるんだろう……殺されるのかな。



