月夜に笑った悪魔



……な、なんだこれ。
っていうか、外暗いし、もう夜じゃん……。
いったいあれからどのくらいの時間がたったのか。


何があったのか思い出しても、なんで和正が私にこんなことをするのかまではさっぱりわからない。
それに、なんで和正が拳銃なんか持って……。



ただ3人をじっと見ていると──。






「和正さん、女が起きました」


黒服を着た男性の1人が私に気づいた。
その声に、和正はこっちに近づいてきて。


「やっと起きたか」


私の目の前まで来ると、立ちどまって見下ろした。



「……かずまさ?」


……彼の纏う雰囲気がちがう。
私の知ってる和正とは、どこか別人。


……こんな、冷たい瞳は知らない。


「まだ、状況を理解できないって顔してるね」


和正は私を見て笑う。


「和正……なにこれ?どうしてこんなこと……?」


私は、やっぱり状況なんて理解できない。
和正がなんでこんなことするのかも……。