『お食事とワインは何になされますか?』



『オススメで』



『かしこましました。』




機内食が用意される中
届いた代表選考合宿の書類を読む。



日本では3日間色々してて
結局じっくりと読めなかったしな。



【Mr. Reorudo・Smith

ニュージーランド代表への
選考合宿への参加お待ちしております。】



簡潔に書かれた文章は
書いた人物がすぐに分かり
笑いがこぼれる。



相変わらずのめんどくさがり屋だ。



2枚目をめくると
場所と時間が書かれている。



場所は都市から車で30分ほど離れた
少し静かな街。



時間はまだまだある。



早く出たのはただの気分だ。



まぁ、どうせあの煩いのは
まだ来ないだろうし
数日なら静かに過ごせるだろう。



旧友というか、ただの腐れ縁の
あいつらを思い浮かべてため息をつく。



監督の名前は前回ワールドカップと
オリンピックで優勝した時と変わってない。



そういえば、



千夏と会ったのは
このおっさんの計らいだったな。



まぁ、いいか。



時計を見るとまだ出発して
2時間ほどしか経っていない。



あと9時間。



大人しく千夏に渡された
ノートでも見ていよう。