「知ってます。」



よく知ってる。



ニュージーランドでも、



ニュージーランド帰りでも言われた。



変わった少女。



私が障害者されなかったのはただ単純に、



大女優 高橋 陽子の娘で、



飛び抜けて頭がいいから。



あと、今は普通だから。



「んー、じゃあ、
今日の俺たちの練習どうだった?」



「さすがプロ。
素晴らしかったですよ」



「嘘つけ」



「何がです?」



「満足しないって顔してる」



「見間違えです。」



「ラグビーは顔の表情で駆け引きするんだ
そうそう間違えないよ」



「......」



さすが、プロ



よく分かってる。



でも、ニュージーランド時代なら
直ぐに言える。



向こうでは
発言しなければ自我を持ってないとされるから



でも、こっちでは、



発言すれば、生意気となる。



「別に、ただのガキがプロに言えることなんて
なんもないですよ」