神羅〈いくら神でも、天逆毎の恨みの力はかなり強力過ぎて逆らえないことが多い。

その中でも天逆毎を押さえつける事が出来…天逆毎丸自体を使うことが出来る。

それは、かなり上等な神で、力のある神だけなんだ。〉



『じゃあ神羅さん無理でしょ。』



神羅〈時の神だしね。〉



何笑ってんだ何も解決してねぇぞ。



神羅〈でも、それは何とか出来るからさ!いざという時の神の力は強いよ!〉



…ああ、なるほど、いざという時の力…人で言う火事場の馬鹿力とやらを使おうとしてくれているわけだ。



『僕にそこまでしないでください。』



畳を見ながら目を伏せそう言うと、神羅さんが黙り込むのを感じる。



『今まで僕のことを見てきたのなら、僕がそこまでされるべき者ではないことくらい知っているはずです。

神羅さんはきっと心優しい神様なんですよね…だから、笑い方を忘れた僕を心配してくれる。

それでわざわざ選んでくれたんでしょう…ちゃんとそのくらいは分かっていますよ。』



僕だからじゃない。



そんなに自惚れたりはしないよ。



『その力は、あなたの言う時代を悪い方向へ変えようとしている者を倒すために使ってください。』



僕は平気だ。



…それでも、もし、天逆毎に正気を奪われたとしたら。



『…その時は、あなたが僕を殺して。』



そう言いながら微笑みかける。



神羅〈…俺は人間を殺したりしないよ。〉



『あーそっか、じゃあやっぱり沖田様辺りに頼むしかないかー。』



僕のせいで誰かを傷付けるのは嫌だ。



そんなことをしてしまえば、僕はきっと僕を恨むだろうから。



それで死んだら永遠と成仏出来なくなっちゃいそうだしね。



神羅〈その時は、俺が助けるから安心してね。〉



『出来ないなー。』



神羅〈何で!?〉



『頼りないからですかね?』



神羅〈酷いこと言うのやめようか!?〉