神羅〈天逆毎丸は、天逆毎の恨みの果てに誕生した刀…って言っても過言ではないんだ。〉



やっぱりなぁ…なんて思いながら神羅さんを見る。



神羅〈だから使える人も選ぶ…つまりは妖刀。〉



『…これ、妖刀だったんですか?』



神羅〈そー。しかも、危ないタイプのね。〉



そう言いながらてへぺろと言いたげに舌を出す。



その舌千切って良いですか。



神羅〈怖いな!?〉



『何そんな曰く付きのものを渡してくれやがってんですか?』



神羅〈日本語下手になってるよ!?〉



そうもなるだろうがこの野郎。



神羅〈まあなんて言うの?適応者ってやっぱり選ばれちゃうんだよねー。

それ以外の人は普通の人はまず持てないし、持てちゃった人は正気を失くしてただただ人を襲っちゃう。

人斬りの化物と化してしまうことだって少なくはない…そんな刀。〉



『お返ししますね。』



神羅〈返さないでください!?〉



凄く焦るように返そうとする僕へ押し付ける。



神羅〈正気を失ってないでしょ、千雨!つまり、千雨は適応者なんだ!〉



それを言われてハッとする。



…確かに僕は正気を失ってない。



それどころか、人を斬るのなんて嫌だ、怖いとさえ思っているくらいだ。



神羅〈…その中にはね、天逆毎の意識というのが全部ではないとは言え入っているんだよ。

その意識が覚醒した時…適応者でも危ない事になるかもしれない。〉



こいつ何を怖いこと言ってくれてんだ?



神羅〈まあ、その時は俺が天逆毎を押さえつけるから安心してね!〉



その言葉に思わず首を傾げる。



『時の神がそんなこと出来るほどの力を持っているんですか?』



神羅〈ふふ、鋭い千雨なら聞いてくると思ってたよー!〉



そう、わくわくしたように言ってくる。



うわぁ、何か聞きたくないな。