『おはよーございまーす。』
「あ、千雨さんおはよう!」
挨拶を返してくるのは、クラスメイトの一人の女子。
名前なんだっけー、あー覚えてないなぁ…どうしよっかな。
なんてことを考えていると、その女子とそれ以外のもう一人の女子が近付いてくる。
「三咲朝からうるさい。」
三咲「あれっ、そう?ごめんね柚夏ー。」
あー、そうだそうだ思い出した。
日向柚夏(ひなたゆずな)と白野三咲(しらのみさき)だ。
このクラスでとーっても仲良しって言われてる四人組の二人だよねー。
…あっはは、くっだらなー。
『おはようございます、柚夏さんと三咲さん。』
笑顔でそう答えれば、三咲さんは嬉しそうに僕を見る。
ダメダメそんな顔しちゃー、僕はあなたのことが大嫌いなんだから。
って違った、僕は人が大嫌いなんだった。
柚夏「千雨さんごめんね?三咲がうるさくて。」
あはは、うるさいって思うなら関わらなければ良いんじゃない?
そう言う風に言っておいて、居なかったら寂しいくせにさー。
三咲「ちょ、柚夏ひっど!ねぇ酷いと思わない?千雨さん!」
あーはいはいそうだね、そういうのに僕を巻き込むのやめてくれないかなー?
『仲良さそうで何よりです。』
心の中で思ってることとは裏腹に、当たり障りのない言葉を口に出す。
こう言っておけば何も言わないでしょ?
三咲「まあ仲は良いけど!」
柚夏「調子乗らないで、うざい。」
三咲「酷いって!!」
…そんな言い合いばかりなら、友達やめちゃえば?
どーせそうやって言って、他の人が言ったら傷付いて、それに対して群がって文句を言って…そのくせ、本当に何かあったら守ることも出来ないんでしょ?
はっ、うっざ、それなのに生きてる意味有る?
なんて、そんなことを心の中で思いながらも、口に出さずニコニコするのが僕の毎日の情景。
自分で自分が嫌になっちゃうよね。


